勝負服(服色)のルールとは?登録の仕組み・使える色と模様を解説

競馬の基礎知識

騎手が着る勝負服は、中央競馬(JRA)の規程では「服色」といい、馬主が自分の服色を登録してレースで使います。使える色や模様、1人が登録できる数まで決まっていて、自由にデザインできるわけではありません。地方競馬では仕組みが異なり、勝負服は基本的に騎手ごとに決まっています。

結論

  • 服色は、騎手がレースで着る服のことで、一般には「勝負服」と呼ばれます。JRAでは馬主ごとに決まっています。
  • 登録するのは馬主です。登録料は3,000円で、預託先の調教師を経由して美浦か栗東のトレーニング・センターに申請します。
  • 登録できる服色は馬主1人につき1種類です。
  • 使える色は、赤・桃・黄・緑・青・水・紫・薄紫・茶・えび茶・ねずみ・黒・白の13色です。
  • 使える模様(規程では「標示」)は、輪・一文字・山形・たすき・縦じま・格子じま・元ろく・ダイヤモンド・うろこ・井げたかすり・玉あられ・星散らし・蛇の目または銭形散らしの13種類で、それぞれ最小の大きさが決まっています。
  • すでに登録されている服色と同じ服色、または紛らわしい服色は登録されません。
  • 服色を登録していない馬主は、JRAが定めた服色(貸服)を使います。使用料は一競走1頭につき500円です。
  • 地方競馬では、基本的に馬主ではなく騎手ごとに勝負服が定められています。

服色(勝負服)とは

JRAの競馬用語辞典は、服色を「レースのとき騎手が着用する服のこと」とし、一般的には「勝負服」と呼ばれていると説明しています。服色は馬主ごとに決まっていて、同じ辞典は登録されている服色の数を約2,000種としています。

JRAは馬主向けページ「馬主の特典・楽しみ」で、服色の登録を馬主の楽しみの一つとして紹介し、服色を「騎手がレース時に着る上着」と表現しています。レースでは、騎手はその馬の馬主が登録した服色を着ます。日本中央競馬会競馬施行規程(以下、規程)第38条が、服色の登録を受けている馬主は馬を出走させるときにその服色を使用しなければならないと定めているためです。

服色を登録するのはだれか

登録するのは馬主

規程第31条は、服色の登録を受けようとする「馬主」が、服色を記載した申請書に登録料3,000円を添えて理事長に提出すると定めています。馬主として登録を受けるための要件や流れは、「馬主になるには?JRA・地方競馬の馬主登録の要件・流れ・費用を解説」にまとめています。

JRAの「競走馬をめぐる人々」は、馬主の役割の一つとして「馬名・競走馬・服色の登録」を挙げ、服色は「決められた色・模様の中から選びます」としています。

申請の窓口

JRAの馬主向けのよくあるお問い合わせによると、服色登録の申請書は、預託先の調教師を経由して美浦か栗東のトレーニング・センターに提出します。

申請された服色が、色や標示の種類、1人1種類といった制限を超えていると認められると、登録は拒否されます(規程第31条)。

登録できるのは1人につき1種類

規程第32条は、服色の登録を「馬主1人につき1種」に限っています。第33条により、登録は胴とそでを1組として行われます。

JRAが日本国外に居住する人向けに出している馬主登録申請のガイドによると、帽子の色(帽色)を登録する制度はありません。

使える色は13色

規程第34条は、服色に使える色を、JRAが定める標準色の次の13色に限っています。

  • 赤、桃、黄、緑、青、水
  • 紫、薄紫、茶、えび茶
  • ねずみ、黒、白

使える模様は13種類で、大きさにも決まりがある

規程第35条は、服色に使える標示(模様)を13種類に限り、それぞれに最小の大きさを定めています。

標示規程が示す最小の大きさ
輪(胴またはそでに用いる横線)幅6cm
一文字(胴とそでに用いる1本の輪)幅6cm
山形(山形、ひし山形、のこぎり歯形の輪または帯)幅6cm
たすき幅9cm
縦じま幅4cm
格子じま幅4cm
元ろく幅6cm
ダイヤモンド短径6cm
うろこ高さ7cm
井げたかすり短径9cm
玉あられ直径4.5cm
星散らし直径9cm
蛇の目または銭形散らし直径9cm

JRAの競馬用語辞典は、このうち元ろくを「チェス盤のような模様」と説明しています。また、各馬を競走中に識別しやすいように、模様のサイズなどが決まっているとしています。

地色や模様に使える色は1色ずつ

規程第36条は、胴またはそでの地色にも、前の表の標示にも、2色以上を使ってはならないと定めています。その結果、1つの服色に使える色は、競馬用語辞典の表現では「胴と袖・地色と模様に1色ずつの最大4色まで」になります。

同じ服色・紛らわしい服色は登録されない

規程第37条第1項により、すでに登録されている服色と同じ服色や、それと紛らわしい服色は登録されません。

馬主が亡くなって登録が抹消された服色については、特別な扱いがあります。同じ服色は、抹消の日から60日を経過する日までは登録されません。ただし、その馬主の相続人が登録を申請したときは、この制限はかかりません(第37条第2項)。

共有馬の場合は代表者の服色を使う

規程第38条のただし書によると、共有馬主が共有馬を出走させるときは、共有代表馬主が登録した服色を使います。

JRAの馬主向けのよくあるお問い合わせによると、1頭の馬を共有できるのは中央競馬に登録された馬主同士に限られ、1頭につき10人までです。共有の際は代表者を1名決め、出馬表に載る馬主名や服色は代表者のものになります。

登録がないとき・使えないときはJRAが定めた服色を使う

規程第39条は、JRAが定めた服色を使う場合として、次の2つを挙げています。

  • 服色を登録している馬主が、やむを得ない事由で登録した服色を使えないとき:JRAが定めた服色を使うことができます。
  • 服色を登録していない馬主が馬を出走させるとき:JRAが定めた服色を使わなければなりません。

競馬用語辞典によると、この服色は「貸服」と呼ばれ、帽色と同じ色を地色に使っています。使用料は、規程第39条により一競走1頭につき500円です。

地方競馬の馬が中央競馬の指定交流競走に出る場合には、別の扱いがあります。規程第41条により、中央競馬指定交流競走に地方馬登録を受けている馬を出走させる馬主がJRAの定めた服色を使うときは、使用料はかかりません。競馬用語辞典によると、こうした競走に馬を出走させる地方競馬の馬主が中央に馬主登録を持たない場合は、「交流服」と呼ばれる専用の貸服を使います。

服色登録が抹消されるとき

規程第40条によると、服色の登録は、馬主から抹消の申請があったとき、またはその馬主の馬主登録が抹消されたときに抹消されます。

国際交流競走の特例

規程第42条は、国際交流競走のために行う服色登録は、国際交流競走に限って効力を持つと定めています。外国の競馬で使っている自分の服色を国際交流競走で使うための登録にも、登録料3,000円がかかります。この登録には、色・標示の制限や、同じ服色・紛らわしい服色を登録しない決まり(第34条から第37条)は適用されません。

JRAの日本国外居住者向けガイドによると、国際交流競走に外国で調教している馬を出走させる場合に限り、その馬の調教国で登録されている服色を使えます。国内で調教されている馬は、いかなる場合もJRAに登録した服色を使う決まりです。そのため、同じ馬主が同じ競走に海外調教馬と国内調教馬を出走させると、2頭の服色が異なることがあります。

地方競馬(NAR)の勝負服は騎手ごとに決まる

地方競馬の勝負服は、JRAとは仕組みが違います。

地方競馬全国協会(NAR)の地方競馬情報サイト「KEIBA.go.jp」の初心者向けページ「レースを観る」によると、地方競馬では基本的に騎手ごとに勝負服が定められていて、馬主ごとに定められているJRAとは異なります。勝負服のデザイン(服色指定)は、各主催者が定めた規程に基づいて決まります。各騎手の勝負服は、同サイトの「騎手情報」や「競馬場ガイド」の騎手一覧ページで確かめられます。

NARの日本国外居住者向け馬主登録申請ガイドブックによると、NAR自体は服色登録を行っていません。服色の登録は主催者ごとに騎手別に行われ、馬主服の使用は、一部の主催者の限られた競走で、事前登録をしたときだけ認められています。

「レースを観る」のページは、一部の競馬場や競走では、JRAの馬主登録を受けている馬主がJRAでの服色を使えるケースがあるとも説明しています。事前に発表される場合があるため、詳細は各主催者の公式サイトで確認するよう案内しています。

確認できなかったこと

  • 標準色の具体的な色合いを示す資料は、規程やJRAの馬主向けページでは確認できませんでした。
  • 競馬用語辞典の「約2,000種」という登録数が、いつ時点の数字なのかは示されていません。
  • 馬主服の使用が認められている地方競馬の主催者や競走を一覧で示すNARの資料は確認できませんでした。
タイトルとURLをコピーしました